Discography


歌の翼に ~そよ風にのせて~

Beltaレコード
YZBL-1033
2013.03.20.発売
¥2,500 (税込)
枚数:1枚

◆収録曲:

  1. 歌のつばさに (F.メンデルスゾーン)
  2. アラベスク (C.ドビュッシー)
  3. ハンガリー・ラプソディー (D.ポッパー)
  4. アヴェ・マリア (P.マスカーニ)
  5. 森のささやき (F.リスト)
  6. 小人の踊り (F.リスト)
  7. 感傷的なワルツ (P.チャイコフスキー)
  8. 舟歌 (P.チャイコフスキー)
  9. 子犬のワルツ (F.ショパン)
  10. ソナチネ (M.ラヴェル)
  11. アリオ―ゾ (J.S.バッハ)
  12. 「魔笛」の主題による7つの変奏曲 (L.V.ベートーヴェン)

チェロ&ピアノ / ピアノ

チェロとピアノのデュオは、耳によく馴染むけれど、演奏する側には多くの難問がある。
ショパンはピアノ音楽を専門にした作曲家だが、他の楽器ではチェロを愛し、ピアノとチェロが活躍する佳曲を残している。しかしあの天才にして、ピアノとチェロの音楽的バランスにはいつも苦心していた。
「レ・クロッシュ」の宇宿姉弟デュオの魅力は、2つの楽器の音楽的バランスに優れ、単に息が合っているというだけでなくて、相手の心理や習、長所や短所、音楽的欲求まで完全に理解し合っているところにあるだろう。
血は争えないし、同じ環境に育ち、音楽的なバックボーンを共有している利点は明白である。
それはどんな名手であれ、即席のデュオには不可なことにちがいない。
このアルバムは、豊かに響く伸びやかなチェロと華麗なピアノが心を合わせ、古今の名旋律を流麗に奏でている。
2人の自在な演奏、親密な呼吸が生きて、音楽の自然な流れを妨げることは決してない。
選曲の妙もあって、まさに「歌の翼に」乗っているようではないか。しかも二重奏曲だけでなく、ピアノ・ソロの名曲も鮮やかな演奏でしっかり収められている。
このCDは、誰もが手元において繰り返し聴きたくなる、大切な愛聴盤となることだろう。

青澤唯夫(音楽評論)