再びリリースされた今回の宇宿姉弟の演奏を聴き、音楽の素晴らしさというものを十分に感じさせられた。
この12曲には何とも大きく引付けられる魅力がある。
チェロとピアノの合奏では二人の心からの訴えと語りが切々と伝わり、聴く者を音楽の大きな官能の世界へと引き込んでゆく。
その内面には、フランス的で香り高い繊細な感覚と品性が潜んでいると思えたし、ピアノのソロの中にも豊かな感性と洒落た味がたっぷりと溢れていた。
二人は、音楽がいかに楽しく素敵であるかを今回も大きく伝えており、充実した見事な演奏は聴き応えがあった。
家永勝 (音楽評論)